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マッサージ

筋肉の緊張をほぐし、リラックスさせてくれるのがマッサージです。これに精油の香りがプラスされると、よりリラックス効果が高まり、皮膚を通して有効成分がからだに浸透します。さらに、血行を促して肌をなめらかにしたり、リンパ液の流れをスムーズにする効果もあります。リンパ液は細胞から出された老廃物や水分を回収して浄化し、尿として体外へ排出させる働きをします。この流れが滞ると、むくみや疲労の原因になります。特に夏の間、冷房やクーラーで代謝が悪化しているようなときに行うのが効果的です。
マッサージに使う精油は、精油だけを肌に直接つけることはできないので、ほかの植物油( キャリアオイル) で薄めて使います。精油はキャリアオイルによって刺激がおさえられ、肌に浸透しやすくなります。キャリアオイルもそれぞれ効能が違いますから、目的に応じて使い分けましょう。
マッサージには自分で行う場合(セルフマッサージ) と第三者にしてもらう場合があります。スキンタッチには痛みを癒してこころを落ちつかせる作用があるので、精神的に落ち込んでいるときなどは、信頼できる第三者にお願いするより効果的です。
マッサージは一度に全身を行う必要はありません。気になる部分から少しずつ行いましょう。また、効果をより高めるには、肌が清潔で血行もよくなっている入浴後がおすすめです。からだが温まっているとオイルの浸透がよくなることも理由のひとつです。
事前に蒸しタオルで温めたり、入浴中に行うのもいいでしょう。

マッサージの基本

マッサージには、手のひらでさする、たたく、指でもみほぐすなど、いくつかの方法があります。目的に合わせて手段を変えれば、筋肉の疲れを取るほかに皮下脂肪の燃焼や内臓の機能を高める効果も期待できます。いずれも呼吸に合わせてゆっくりと行います。

  • 軽擦法…手のひらを肌に密着させて、軽くなでたりさすったりしながらゆっくりと滑らせます。血液やリンパ液の循環を促進する、リラックス効果の高いマッサージです。
  • 強い擦法…手のひらや指先で、なでたりこすったりする方法で㌻。軽麻法より力を入れて、強さやスピードに変化をもたせます。皮下の深部まで刺激を与えることができます。
  • 柔捏法…手のひらや指先を使って、筋肉や皮下脂肪をもみほぐす方法。新陳代謝を活発にして、体内の老廃物を取り除きます。ゆっくり行うとリラックス効果もあります。
  • 圧迫法…マッサージしたい部分に、自分の体重を乗せるようにして手のひらや指でゆっくり圧迫します。戻すときもゆっくり戻すのがポイントです。神経の高ぶりを鋳めます。
  • 叩打法…きます。両手の力を抜いて交互に筋肉の上をリズミカルに強めで早く短く行うと神経や筋肉に興奮を与え、軽くゆっくり長く行うとリラックスできます。

自分で行うセルフマッサージも効果的

マッサージにはパートナーと行うマッサーシのほかに自分で行うセルフマッサージがあります。からだの部分ごとに適した方法で、凝りや疲れを手軽に解消できます。
ひとつの動作は三回を目安に繰り返し、自分が心地よいと思えるマッサージを、行います。

顔と首

顔や首は外気の刺激を受けやすく、日々の 動作で繰り返し筋肉を使うためシワができやすい部分です。マッサージで老化を予防してトラブルに負けない健康な肌にします。

  1. マッサージオイルを手のひらに少量取ります。顔の中心から外側へ、下から上へ向かって両手を動かしてオイルを顔全体にのばします。
  2. 中指と薬指で額の中央からこめかみまで、らせんを描くように動かします。シワを引き上げるつもりで行い、指を下に動かすときは力を抜きます。
  3. 中指で両目のまわりを圧迫します。ただし目のまわりの皮庸は薄いので力を抜いて軽く行います。目の疲労や目尻の小ジワに効果的です。
  4. 親指以外の4 本の指で、頬全体を大きならせんを措きながらゆっくりと軽擦(なでてさする)します。体液の流れが促進されて、むくみやくすみを改善します。
  5. 首の中央から後ろへ向かって大きくらせんを描くように軽擦します。マッサージをする首側と反対の手のひらを使うとマッサージしやすいでしょう。
  6. 首を様に少し傾けて、反対側の手のひらで首から肩にかけて大きく円を描くように軽擦します。首や肩のこりを鎮めるのにとても役立ちます。

手と腕

年齢を感じさせない手と引き締まった腕を保ちます。マッサージはひじの内側と脇の下にあるリンパ節に向かって行うと、体液の循環を促して、たるみや疲れや緩和することができます。

  1. 手のひらにオイルをとり、軽擦(なでてさする)しながら手と腕全体にマッサージオイルをのばします。腕の外側を上がり、内側を戻ります。
  2. 腕全体を手首からひじ、肩へ向かってらせんを描きながら軽擦します。たるみがちな二の腕やかさつきやすいひじは特に念入りに行います。
  3. 腕の外側を手首からひじまで親指で強擦(なでてこする)。次に手のひらを上向きにして内側も同じように親指で強擦します。
  4. 親指で指のつけ根から爪へ向かってらせんを描きながら軽擦します。
  5. 新しい爪が作られる爪のつけ根部分(爪母)と関節をていねいにマッサージします。
  6. 手のひら全体を親指でもみほぐします。手のひらは足の蓑と同様、からだの諸器官に対応する反射区があります。
  7. 最後に2と同じように手と腕全体をらせんを描きながら軽擦します。

腹部

ストレスによる便秘や胃痛など、精神面でのトラブルが起こりやすい部分です。マッサージでリラックスさせて緊張をほぐし、胃腸の調子を整えます。特にお腹を壊しやすい、便秘症の人は念入りに行います。

  1. まずマッサージオイルを片手にとり、腹部全体に右まわりに塗ります。次に、みぞおちを片手の手のひらで左まわりにゆっくり軽擦(なでてさする)します。
  2. 両手を重ねておへその周りを右まわりに軽擦します。
  3. 左手の手の指先をそろえたまま小さな円を描き、おなかりを右まわりに移動していきます。便秘がちな人はやや強めに押します)
  4. 少しずつ交互に動かして脂肪をつかむように揉捏します。ウェストを引き締めたいときに重点に行います。

心臓から遠い下半身は代謝が悪くなりがちで、むくみやすい部分です。疲労感や痛みをそのままにしておくと体型が崩れる原因に。疲れはその日のうちに解消するようにします。

  1. 手のひらにマッサージオイルをとり、片足ずつ足全体に塗ります。手のひらをそろえて足の前面をつけ根から甲に向かって進み、裏側は、手のひらで包むようにして戻ります。
  2. 足の指を1 本ずつ、指のつけ根から指先に向かってらせんを描くように親指で軽擦(なでてさする)します。足の甲全体に小さな円を描きながら軽擁します。
  3. 親指で交互に小さな円を描きながら足の裏全体を軽摸します。指の裏から始めて、かかとへ移動していきます。
  4. 親指を除く4 本の指でくるぷしのまわりを軽擦します。
  5. 両手の人差し指の側面で、ふくらはぎをしごくように交互に強擦(なでてこする) し、そのまま太ももの東側も強擦します。関節にあるリンパ節を圧迫しないように、膝はできるだけのばして行います。
  6. 太股の内側を足と同じ側の手で膝から足の付け根に向かってらせんを描きながら軽擦します。最後にもう一度1を繰り返します。

マッサージオイルについて

マッサージに使うオイルは精油とキャリアオイルをブレンドした、純度畑% の自然なオイルです。直接肌につける場合、精油は必ず薄めて使います。
希釈濃度(キャリアオイルに対する精油の比率) は、普通濃度で1% 、低濃度は0.5% 以下です。敏感肌の人は低濃度から始めるのが安心です。
普通肌の人でも1% を超えないように注意します。目安としては50mlのキャリアオイルに10滴の精油を加えると1% 、5 滴で0・5 % のマッサージオイルができます。
オイルは適量を手のひらに取り、両手をこすり合わせて温めてからからだにつけます。マッサージ後は、オイルの成分を充分に浸透させたいので洗い流す必要はありません。ベタつきが気になるときはタオルやティッシュペーパーで押さえて余分な油分を取り除くか、夏は軽く洗い流してもいいでしょう。ただし、肌が炎症を起こしているときや、日焼け直後でほてりのあるときはマッサージは厳禁です。

温湿布と冷湿布を使う

洗面器にタオルが浸る程度の湯量に、温湿布なら熱湯、冷湿布の場合は10~15度くらいの冷水を入れ、好みや目的に合った精油を1~2滴加えます。その中に、短冊折りにした清潔なタオルを浸します。温湿布の場合は、あとで絞るときにやけどをしないようにタオルの両端を持ち、その部分はお湯につけないようにするといいでしょう。
表面に浮いた精油の油膜をタオルにすくうように含ませ、両端をひねって絞ります。温湿布では使うタオルが熱いことが重要です。
タオルの温度を下げないように、別に蒸しタオルを一枚用意して上から覆ったり、冷めてきたらもう一度熱いお湯に浸して作り直しましょう。やけどの心配がない冷湿布なら、当てる場所によってハンドタオルやハンカチ、コットンなどを使い分けるのも便利でオススメです。精油は痛みをやわらげる作用をもつラベンダー、ゼラニウム、ローマンカモミール、タラリセージ、サイプレス、ユーカリ、ローズマリーなどをが効果的です。

入浴時にバスソルトと精油を混ぜる

精油の香りを鼻から吸入するとともに、香りの成分の効果を肌から浸透させることもできるのが、入浴(アロマバス) です。バスタイムのリラックス効果とうまく相乗効果により高いリラックス効果があります。
また、浴室は密閉された空間なので、たいへん効率のよい芳香浴が可能になります。古くは、古代エジプト、ギリシャ、ローマの人々も芳香植物を使って入浴を楽しんでことが確認されています。。
日本でも、ゆず湯や菖蒲湯など、香りのよい植物を使った効果的な入浴習慣を古来からもっています。肌を清潔にするという目的だけでなく、こころとからだをリラックスさせる時間としての入浴を生活に取り入れましょう。
好きな香り、心地よい香り、もしくは目的や症状に合わせた精油を浴槽に張ったお湯の中に落とします。精油の量は4~5滴が標準です。
多くても10摘までにし、香りの強い精油や肌の弱い人の場合は少なめにしておくほうがよいでしょう。。精油はブレンドをすることで、心身への作用の期待感が、一層高まります。

精油は、お湯には溶けないので、手でよくお湯をかき混ぜてから入浴します。ここで知っておきたいのが、目的に合った入浴の効果をもっと高めるのの温度や時間、入り方があるということです。
ゆったりとリラックスしたいときには、38度前後の湯温にゆったりとした態勢で入ります。長い入浴時間のほうが効果がアップするので半身浴を行います。長時間、お湯につかるときは、心臓に負担がかからない半身浴がおすすめです。
逆にリフレッシュしたいときは、40度くらいの熟めのお湯に肩までつかり、早めに上がります。そのほかにも座浴や手浴、足浴といった部分浴も取り入れながら、目的や好みに合わせて効果的で楽しいバスタイムを過ごすとストレス解消になります。尚、精油は揮発性が高いので、入浴時間は30分程度にします。10滴以上使うことは控えます。

バスソルトの作り方

精油と原塩を使って体内の余分な水分を取り除く効果のあるオリジナルの入浴剤を作ります。用意する材料は、次のとおりです。

  1. ガラス容器に原塩を入れます。原塩には、ミネラルが豊富に含まれます。事前に細かく砕いておいてもよいです。
    ここに精油を加えます。
  2. スプーンを使ってよくかきまぜます。精油が原塩に均一に混ざるようにします。1回の入浴で40~50g程度を目安に使います。もし余れば密閉容器に保存しておけばよいでしょう。

半身浴

みぞおちの下くらいまでつかるお湯を浴槽に張って入浴することを、半身浴といいます。ぬるめのお湯に精油を3~4滴入れ、よくかき混ぜてから30~40分程度入りましょう。心臓にあまり負担をかけないため、ゆっくりとからだを温めることができ、新陳代謝と発汗を促すことができます。

座浴

浴槽なら底面から20cmくらい、あるいは大きめの洗㌃器などにお湯を張って腰くらいまでつかる方法です。精油を1~2滴入れ、よくかき混ぜてから5~10分程つかります。痔、便秘の不快症状に効果的です。半身浴は、ここ最近健康にも美容にも人気です。半身浴についてはこちら

ひじ浴

大きめの洗面器などにお湯を張って両ひじをつける方法です。お湯に精油を2~3滴入れ、よくかき混ぜてから5~10分程度つかります。血行がよくなり、腕のだるさや肩こりなども解消されます。

手浴

洗面器などに手を入れてちょうどいい温度のお湯を張り、両手を手首までつけるの方法です。精油を1~2滴入れ、よくかき混ぜてから10分程度つかります。かさついた手にうるおいを与えるだけではなく、指先や手、手首から腕の疲れ、肩こりを解消します。お湯の中で、手のひらのツボを押しながら指先までマッサージすると、より効果的です。寒い季節やお風呂に入れないとき、あるいは気分転換をしたいときなどにもおすすめ。末梢の血流が改善すると手が非常に温かくなります。

足浴

浴槽、あるいは洗面器にくるぶしまでつかるくらいのお湯を張って足をつける方法です。お湯に精油を1~2滴入れ、よくかき混ぜてから10分程度つかります。血行改善し、足のむくみが取れて軽くなります。お湯の中で、足の裏からひざまでの部分を、下から上へマッサージするとさらに効果的です足を温めるだけで全身の血行を促す働きがあるので、冷え症の人にはおすすめの方法です。夏のクーラーや冷房で就寝時に足がだるくなる人(やせ体質の人に多い)には効果大です。

精油を使った代表的な6つのアロマ テラピーの方法

香りを鼻から吸収して、神経に働きかける方法が、芳香浴です。森の中を歩いたらすがすがしい気分になったり、たくさんの花の香りに包まれると幸せな気分になるといった効果を精油で実感できます。
芳香浴には2通りあります。ひとつは、直接香りを吸入する方法。ハンカチやマグカップに精油を落として香りを嗅ぎます即効性が高いので、外出先や時間のないときに便利です。
もうひとつは、オイルウオーマーなどを使って、空気中に香りを拡散させる方法。部屋の空気を洗浄したり、複数の人たちといっしょに香りを楽しめます。ハーバルインセンスやアロマキャンドルなどもあるので、TPO に合わせて最も効果的な方法を選びましょう。もしも香りを吸入していて気分が悪くなった場合は、すぐに使用を中止します。

ハンカチやマグカップを使う

時間と場所を選ばずに楽しめ、しかも即効性の高い芳香浴法です。好きな香り、あるいは目的に合う精油を選んだら、ハンカチやティッシュペーパー、コットン、またはお蕩か水を入れたマグカップなどに1~2滴精油を落とします。たちのぼる香りに鼻を近づけて深呼吸をしましょう。マグカップを使う場合はカップを鼻に近づけ、手で鼻先に風を送りながら香りをかぎます。
部屋の中だけでなく、オフィスや学校、旅先などでも気軽に使える方法なので、こつそりと瞬間的に気分転換したいときや二日酔いにもおすすめです。最初から精油を含ませたハンカチなどを携帯して利用するのもいいでしょう。

オイルウォーマーを使う

香りは熱を加えると、より強く香ります。その特性を利用して簡単にアロマテラピーを楽しめる代表的な専用器臭が、オイルウォーマーです。オイルウォーマーは、精油を加えた水をロウソクの炎で温めることで、水分の蒸発とともに精油の香りを拡散させます。ぬくもりのあるロウソクの炎がアロマテラピーの効果をいっそう高めるでしょう。ただし、くれぐれもロウソクの炎には注意を。器具のまわりに燃えやすいものは置かないようにします。また、空焚きをしないように、香りが立つうちは差し水をしましょう。
オイルウォーマー一覧

アロマライト

アロマライトは、電球の熱で精油を温めて香りを拡散させるものです。15ワットほどの小さな明かりから、ほのかな香りが漂ってきます。オイルウォーマーと違って火を使わないので、寝室やベッドサイドで使用するのに最適です。また、子供がいる部屋でも安心して使えます。使い方は簡単。アロマライトの上部の皿に精油と、器具によってはお湯か水を入れて明かりをつけるだけ。精油の種類にもよりますが、約5滴で2時間ほど香りが続きます。精油がなくなったあとは、そのままルームライトとしても使えるものがほとんどです。
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ディフューザー

電動式のエアポンプによる空気の圧力で、精油の香りの微粒子を空気中に拡散させるのがディフユーザーです。オイルウォーマーなどに比べると、香りを広げる力が断然強く、わずか5分間の作動だけで、約1時間香りが持続します。熱を加えないため安全で、しかも原液を薄めずに使うため、精油そのものの香りを長い時間楽しめるのが特徴です。広い空間やたくさんの人が集まる場所、パーティーなどに最適です。精油の作用を上手に利用して、部屋の空気を殺菌しながら、雰囲気をつくるのに役立ててみませんか。香りの専門店で購入できます。
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ハーバルインセンス

インセンスは、お香のこと。精油やハーブなど自然の香りを詰め込んだのがハーバルインセンスです。火をつけると煙がスーツと立ちのぽり、香りが広がります。ベースは古来から使われている、乳香や投薬、安息香などです。手軽に楽しむのなら既成品を。また、精油やハーブを選んでオリジナルのインセンス作りを楽しむこともできます。
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アロマキャンドル

精油で香りをつけたキャンドルは、炎による視覚的なこころへの作用も期待できて、より効果的にアロマテラピーを楽しめます。既成品の種類も豊富。普通のロウソクをともしてから一度火を消し、溶けたロウに精油を落として再び火をつけるだけでも、香りのキャンドルになります。また、手作りのキャンドルも案外簡単にできるので、試してみましょう。
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精油の取り扱い方・保存方法

取り扱い方

精油は濃縮された純度の高いものです。天然のオイルではありますが、直接肌につけたり、口に入れたりすることは避けます。目もとや口もとなどのデリケートな部分には、希釈した精油であっても、使用するのは厳禁です。正しく計量する場合は、ガラス製で精油の成分で溶解しないシリコン樹脂のスポイトを用意します。使用後は無水エタノールできれいに洗浄しましょう。

取り扱いについては以下の点に注意します。

  • 3歳以下の乳幼児への使用
  • 12歳以下の子供の場合は、大人の半量で試してから使う。

  • 誤飲
  • 誤用を防止するために、子供の手の届かない所に保管。

  • 敏感肌、アレルギー体質の人は、事前にパッチテストで試してから使用
  • 光感作用のある精油に注意
  • ベルガモットやレモン、スイートオレンジやグレープフルーツなどの柑橘系の精油には光感作用があり、使用した直後に紫外線に当たると、赤く腫れたり、しみになつたりすることがある。日中や外出前に使用することは避ける。

  • お年寄りや妊婦、肌がデリケートになっている状態のときは注意
  • 使用する精油や使用方法に充分注意する。種類によっては妊娠中にダメージを与えるものがある。

保存方法

精油は、日光、熱、金属などの影響を受けやすく、香りが変化したり、色が変わったりすることがありますから、保存方法にも十分気を付けます。
まず、精油は褐色やブルーなどの色がついた遮光性のあるガラスビンに保存します。例外もありますが、未開封なら約2年、開封したら1年程度が品質保持の目安です。また、柑橘系は半年程度。逆に、サンダルウッドやパテエリーのように、年月を重ねるほどに質が向上する香木系もあります。どんな精油でも、購入時には使用期限をチェックして、たくさんまとめて購入するのではなく、使い切れる量をこまめに買うのがよいでしょう。
精油の状態がわからないときには、香りで判断するのがいちばんです。ハンカチなどに1 滴落として、香りが新鮮かどうかを確かめます。そして、直射日光が当たらない、風通しのいい冷暗所に、必ずビンを立てて保存しておくことが必要条件です。
揮発性が高く、空気に触れると劣化するので、使ったらふたをきちんと閉めておきます。もちろん、湿気や火気も厳禁です。芳香浴などをするときに、とくに気をつけたいのが、お風呂場などに精油を保存しないことです。湯気で精油もビンも劣化し、ふたが開かなくなってしまうこともあります。また、精油はビンから直接お湯の中に落とさずに、一度皿の上などに出してから使用するようにします。

精油の選び方

お店では、たくさんの精油が販売されていますが、精油を選ぶときに最も大切なことは、それが芳香植物から抽出された、天然のものであることです。ポプリオイルなどと混同しないように注意します。
そのためにも、信頼できる店で、信頼できるメーカーのものを選びます。初めてなら、正しい知識をもったアドバイザーに相談するのがおすすめです。
自分で選ぶ場合には、品名、学名、抽出部位、抽出方法など、表示に最低限必要なことが書いてあるかをチェックします。また、「輸入元」や「取り扱い注意」もきちんと記載されているか、輸入品なら日本語表示がされているかも大切なポイントです。
精油のビンは遮光性のあるガラス製で、できれば1滴ずつ落とせる内ぶたがついているものがよでしょう。慣れないうちは、こうした製品を選ぶようにします。
店頭で香りを試すときは、ビンから直接香りを嗅がずに、空気に少し触れさせてから鼻先で香る程度にするか、ムエット(試香紙)につけて確かめます。
このときの香りが使用したときの香りに近くなるからです。精油にはたくさんの種類があり、香りも効果もさまざまで、選ぶのにとても迷います。

香りを心地よく感じることがアロマテラピーにおける重要課題ですから、明確な使用目的がないのなら、まずは自分の好きな香りを見つけて使ってみるといいでしょう。徐々にひとつひとつの精油の特徴がわかってきたら、2種3種とブレンドして効果を高めてくとよいでしょう。

精油とは

アロマテラピーの商品を販売しているお店では、香りのもとの成分になるものを「精油」という形で販売されています。小さな小瓶のようなところに香りの成分が入っている形なので、みたことがあるものになるかと思います。

精油(エッセンシャルオイル) は、芳香植物(ハーブ) がもつ有効成分が濃縮されて作られる、純度の高い物質です。水には溶けず、アルコールやオイル類などに溶けます。揮発性がとても高く、さまざまな特性をもつ複雑な化学物質を豊富に含んでいるのが特徴です。精油には芳香と薬効があり、フレグランスやフレーバー、医薬、農薬など幅広く使われます。また、芳香は人の鼻(喚覚) を通じて脳に働きかけ、心身の不調和を癒します。また、香りを嗅ぐことでリラックスしたり心地よい気分になります。

植物の中でハーブ(芳香植物)と呼ばれる約3500種類の中で、精油の採れる植物は約200種類。精油は植物の中の細胞組織内ゆほうの小さな袋(油嚢中) にしずくの形で存在し、花やつぽみ、枝葉、樹皮や樹脂、根など、あらゆる部位から抽出されます。

精油は、それぞれの植物の香りの本質ともいえるものです。古代エジプトやギリシャなど、昔から植物の芳香部分を医療や化粧などに利用してきました。やがて、13世紀頃に正式な蒸留法が成立して蒸留水が使用され、16世紀頃には精油を抽出する技術が確立しました。

植物から抽出される精油の量はとても少なく、そのため、たいへん価値のある高価なものとして扱われます。たとえば、1トンもののラベンダーからは約3Lしか精油が取れませんし、ローズの精油1滴を取るのに、約50本分のバラの花びらが必要とされます。精油は、お店でも割と高い値で販売されているものが多いのもこのためです。

精油は濃縮された香料原料といわれるものですから、必ず希釈して(薄めて) 使います。希釈度は1 %以下が理想的。低い濃度のほうが、高濃度より効果的な場合もあります。ひとつの精油だけでもいろいろな効果が期待できますが、数種類をブレンドすれば、さらに相乗効果がアップします。

アロマテラピーの歴史

「アロマテラピー」という言葉は、フランスの化学者により、1900年代に出版された『芳香療法』という本で広く知られるようになりました。
この書籍からもわかるように、植物がもつ香りの特性を日常生活に取り入れることは、古くから行われていました。古代から、香りは神からの授かりものとして考えられていたようで、宗教的な儀式の中で香木や花などが焚かれました。
古くは、紀元前300年頃までさかのぽります。古代エジプトではすでに、医療の目的や化粧品のために精油を利用していました。また、ミイラをつくるために、シダーウッドや投薬、ニッキなどを防腐剤として使っていました。パピルス文書によれば、乳香やオレガノ、コリアンダーといった芳香植物が香料として使用されてたことが確認されています。エジプトだけに限らず、メソポタミアやギリシャなどでも、宗教儀式や医療、装飾に芳香植物を利用していました。
インドでは、紀元前600年頃からアーユルヴェーダ(古代インド伝統医学) が成立し、今日まで継承されています。そして、有名な話ですが、紀元前100年頃にクレオパトラは、香料、とくにバラを好んで入浴や香水に使ったといわれています。西暦100年になって、ギリシャの医師600種以上の植物に関する『ギリシャ本草』を書いています。
1000年代には、アラブ人によって現在も使用されている抽出法、水蒸気蒸留法が発明され、1300年代には、イギリスでラベンダーが栽培され、芳香蒸留水であるラベンダーウオーターがポピュラーなものとなりました。
1300年代の頃から芳香植物を油に入れて加温し、その成分を浸出して使うようになります。その作り方や油を用いたマッサージ法は、現在のアロママッサージの標準となっています。また、アルコールを使ったローズマリーウォーター(化粧水の原点) は、ハンガリーの王妃エリザベートが高齢になってから、若返りの水として洗顔のときに愛用していたといわれます。1664 年、ロンドンでペストが大流行し、そのとき香料がもっている殺菌消毒効果が世の中に広く認められました。
やがて、多くの精油が科学的に研究され、ガットフォセが書いた『芳香療法』の登場となるわけですが、その間にも、民間療法として、薬草や芳香植物は一般の人に利用されてきました。18世紀のフランスでは、ニースを中心に香料産業が盛んになり、パリでは香水の人気に火がつきました。また、ヨーロッパでは、カルペパーやパーキンソンといった有名な薬草学者が活躍し、精油や芳香植物を利用した医療が盛んになりました。
19世紀になると、大きく進歩した西洋医学や薬学の影に隠れて、芳香植物を利用した療法は衰退しましたが、自然療法としてのアロマテラピーの価値を見いだす人々によって、再び世界に広がりはじめました。

日本にも1980年頃にアロマテラピーに関する本が登場しましたが、当初は、理解はされなかったようです。少しずつ、自然回帰の声の高まりとともに、じわじわと見直され、今日に至っています。日本にも苦から「香道」が存在しますし、平安時代には香りそのものを楽しむ遊びや、マナーとして香りを用いるということが行われていました。身近なところでは、菖蒲湯やゆず湯といった、民間に伝わる芳香植物との関わりがあります。現在は、欧米と同じように、純粋な精油やハーブを使ったアロマテラピーを、香りによるリラクゼーションの方法として日常生活に取り入れたり、専門家による研究も進められています。

アロマテラピーとは?

初心者のためのアロマテラピーの知識

レモンの香りをかぐと、さわやかな気分になったり、食欲が湧いてきたりします。また、ペパーミントの香りで頭がすっきっきりする場合があります。

アロマテラピーとは、ハーブなどの自然植物が生み出す芳香の成分を利用して、肉体や精神を健康にするという自然療法のひとつです。アロマは「芳香」、テラピーは「療法」を意味します。
一般的に、アロマテラピーとは植物から抽出された精油( エッセンシャルオイル) を使った健康法と定義されています。
たとえば、疲れたときに甘くてやわらかい香りをかぐと、なんとなく元気になったり、気分が悪いときには、スッとする香りのお茶を飲むことで回復できたり。香りは、心身をリラックスさせ、自己治癒力を高める効果があるのです。

ただ、どんなに香りにすばらしい効能・効果があっても、心と身体が受けつけない、嫌いな香りをかいでもよい効果は期待できません。
まずは心身に心地よいと感じる香りを見つけることからはじめます。アロマテラピーは、特別な難しいものではありません。ライフスタイルを楽しくする、あるいは健康的に過ごすためのひとつの方法として取り入れてみてはいかがでしょうか。

忙しい仕事を抱えている人が仕事をする部屋にリラックス効果のある香りを設置したらイライラしなくなり、仕事の効率がアップするという使い方もあります。

ハーブと精油について

芳香植物、ハープの香りにはさまざまな薬効があるといわれ、それは精神面と肉体面の両方に働きかけます。からだへは、皮膚や肺から血管を通って全身に伝わりますが、こころへの働き方はまだ解明されていません。ただ、鼻から入った香りの分子は大脳に伝わり、本能や情動、記憶に関係する部分にアクセスします。

ハープの揮発性の有効成分を抽出したものが精油(エッセンシャルオイル) です。そこには、ハープのもつ薬効が凝縮されています。ハーブに香りがあるのは、この精油があるからだといわれています。ハープはそのままでも香りますが、摩擦を与えることで、より香りが強くなります。それは、ハープの花や葉にある精油のポケットが弾けるためです。ハープを使ったいろいろな健康法は、民間療法としてかなり昔から存在します。
作用が穏やかであり、またクラフトやお茶にして楽しむこともできます。
そして、自分で育てたハーブを使えば、楽しみはさらに広がります。大きく捉えて、ハープを楽しむこともアロマテラピーといえるでしょう。
そして、精油は、ハープより芳香成分が濃縮されているため、取り扱いには多少注意が必要ですが、初心者でも手軽にアロマテラピーに使えること、即効性があることが特徴です。使ってみてすぐに効果を自覚できるのも特徴です。
用途によって、あるいは気分によって、ハーブと精油を上手に使い分けるのがポイントです。

アロマテラピーの仕組み

「香り」が、どのようにして心身に影響を与えるのでしょうか。まだまだ研究段階にある部分が多いのですが、アロマテラピーの効果のメカニズムには、大きく分けて3種類あるといわれています。
まず、香りは鼻から脳の中枢であり、ホルモンや免疫系の分泌を促すように指令を出す働きのある、大脳辺緑系へ届きます。そして、心身に働きかけます。肉体的には、免疫系やホルモンの分泌をコントロールする部分にアクセスし、精神的には、記憶や感情、情動をたずさわる場所に関わります。二

2つ目は、同じく鼻を経由して肺に届き、そこから血管を通って全身に香りの成分が運ばれていくというもの。

3つ目は、皮膚を通して毛細血管に吸収され、体液の流れにのって芳香成分が、器官や組織に拡散されるというものです。そして、体内に入った芳香成分は、やがて尿や汗、呼吸を通じて最終的には排泄されます。

どの場合でも、香りがもつさまざまな有効成分が肉体面と精神面のどちらにも働きかけるというのが、アロマテラピーの最大の特徴です。アロマテラピーでは、香りの成分だけではなく、香りそのものを感じることが大切です。「いい香りだな」と感じたことによって、気持ちがやわらいだり、いいホルモンが分泌され、こころもからだも改善されていくというわけです。どんなにすばらしい効能や効果があっても心地よい香りであることを実感できなければ意味がないということです。