月別アーカイブ: 2012年8月

サイプレスの特徴と作用、注意点

さわやかでスパイシーなすっきりとした香りが特徴です。サイプレスは、円錐形をした丈の高い木で、腐朽しっらい材質から、かつては十字架が作られるときに使ったという言い伝えもあります。ギリシャの島々の庭園と墓地でなじみが深く、キプロス島はこの木が崇拝されていた島として命名されました。また、古代ギリシャではサイプレスを浄化のために薫香として焚き、呼吸器系症状の治療に使ったといいます。その香りはせきや気管支炎、のどの腫れを楽にすることで知られ、精油は子供の百日ぜきを治す薬剤の成分として利用されてきました。

心には鎮静作用があり、おしゃべりで興奮しがちな人、イライラしがちな人には怒りをやわらげて気持ちを落ちつかせる作用があります。

体には、体液のバランスを整えて出血、重い生理、発汗の抑制、とりわけ足の発汗過多に有効です。ホルモンのバランスを整え、更年期のつらい症状をやわらげる作用があります。

肌には、体液のバランスを整えて、肌の衰えを防ぐ効果があります。収れん作用があるので汗をかきやすい脂性肌に向きます。女性に多いセルライトにも有効です。

注意点としては、高血圧の人は使用を避けます。生理の周期を正しくする働きがあるので妊娠中は使用を控えます。

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クラリセージの特徴と作用、注意点

頭痛や生理痛などの痛みをやわらげこころのバランスを整える「クラリセージ」は、葉にも萄にも強く甘い芳香があり、イギリスではビールを醸造するときのホップにも代用されていました。かつて「キリストの目」 と呼ばれ、目を清浄する粘液を出す性質が利用されたためでしょうか、「清浄な」ぁるいは「明るい」を意味するラテン語の「クラルス」から名前が由来しています。
その精油はほんの少量で効果を発揮し、精神をリラックスさせて幸福な気持ちをもたらしてくれます。近年は医療のためでなく、香水の成分として使われることが増えています。セージとは同じシソ科ですが、精油の性質はまったく異なります。

心への作用は、気が張って落ちつかないなど、ストレスや不安におそわれたとき、神経の緊張をやわらげて感情の高まりを鎮めてくれます。
体への作用は、精神的なストレスが原因と思われる筋肉のこりや痛み、頭痛を緩和させます。病後の体力回復にも効果があります。また、ホルモンのバランスを調整して子宮の強壮剤となります。
肌へは、頭皮のトラブルに有効で、脂っぼい髪をさっぱりとさせてフケをおさえます。炎症を起こした肌やむくみにも効果的です。
注意点は、鎮静効果が高いので、車の運転前やアルコールを飲むときは使用しないように注意します。妊娠中の使用も避けます。
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イランイランの特徴と作用、注意点

熱帯の花の香りは感情の高ぶりを鎮めて幸せな気持ちをもたらす「イランイラン」は、甘く重いエキゾチックな花の香りが特徴です。原料となるイランイランノキは熱帯の樹木の一種で、黄色、ピンク、藤色の花を咲かせます。木からぶらさがって咲く花の美しさをたたえてマレー語の〝アランイラン″(花々の中の花) からその名がついたそうです。とくに黄色の花から最初に抽出される精油が品質に優れ、苦から香料の木としても有名で、精油はココナツオイルと混ぜて整髪料に使われてきました。オリエンタルな花の香りは催淫作用があるとされ、インドネシアでは新婚カップルのベッドにイランイランの花びらを撒く風習もあるそうです。
作用は、心には精神的ショックを鎮め、喜びの感情を呼び戻します。ストレスを感じるときや不安、怒り、恐怖などの激しい感情におそわれたときに利用すると、ゆっくりとこころをときほぐす作用があります。
体への作用は、興奮しているときなどの速い心拍を正常に戻すのに有効で、上昇した血圧を低下させます。また、ホルモンのバランスを整え、生殖に関する機能に働くほか、殺菌、消毒作用もあります。
肌への作用は、皮脂の分泌を調節することから、乾燥肌にも脂性肌の両タイプに利用できます。髪の成長も促し、ツヤやコシを与えます。
注意点は、過度の使用で吐き気や頭痛を起こすことがあります。敏感肌や妊娠初期の使用は避けます。
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