エキナセア 効果 風邪 の症状を抑える ことです。つまり、免疫力を高め、風邪や感染症を予防する以外に
- 抗ウイルス
- 免疫強化
- 殺菌消毒
- アレルギーの緩和
- エイズの治療
まで大風呂敷を広げて、高らかに宣伝されるエキナセア。エキナセア は、紫色の美しい植物で、アメリカやヨーロッパでは 100 年以上にわたって使用されているハーブ療法の代表格です。
エキナセア 効果 風邪 に効く
1999 年には、WHO の「薬用植物事典」で、風邪や呼吸器感染、尿路感染などへの効果に「御墨付き」を与えている。
わが国では、テレビの健康番組で何度も取り上げられ、今や風邪に対抗するサプリの定番です。もともとは、北米ネイティブアメリカンが長年にわたって感染症や傷の治療などに利用していた、エキナセア・アンガステイフォリアでした。これを見た、ヨーロッパから植民地心又配に来ていたハーブ療法師が、エキナセアを彼らの処方に追加したのが世界に知れわたる第一歩でした。
1800年 代の終わりごろ、ビジネスマンのメイヤーという人がエキナセアを含んだハーブ製品をつくり、「風邪の特効薬」と宣伝して売り出しました。
これが大人気商品となって大儲けしました。ところが、その宣伝文句は派手な誇張ばかりで内容は乏しいことから、何にでも効くと大道で宣伝する「ガマの油売り(アメリカでは蛇の油と表現する)」のようだと揶揄されました。
一方で、エキナセア の品質を確保しょうとする企業もあらわれました。1920年に、オハイオ州の著名な製薬企業だったロイド兄弟社の年間売り上げ第 1 位は エキナセア でした。
エキナセア の人気はヨーロッパでも爆発し、その需要はアメリカからの供給を上回りました。そこで、ヨーロッパでは大急ぎで エキナセア の栽培をはじめたのです、このとき、ドイツの会社が初歩的な間違いをおかしてしまいした。本来のエキナセア・アンガスティフォリアの代わりに、アメリカからエキナセア・パープレアの種を大量に購入してしまったのです。
この歴史的な間違いが、今、流通しているユキナセアの多くが「アンガステイフォリア」ではなく「パープレア」である理由となっています。
エキナセア は、抗生物質が台頭する前まで、アメリカで風邪やインフルエンザ治療の第一選択肢でした。風邪やインフルエンザにまったく効かない抗生物質によって、効果のある エキナセア が西洋医学から追放されたのは、皮肉なものです。
エキナセア
- 主成分
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- アルキルアミド
- 多糖類
- カフェ酸
- 効能
- 風邪の症状を和らげ、回復を早める
- 副作用
- 過剰摂取により吐き気、腹痛
- 注意
- エキナセア・パープレアの葉や茎が効く
3種類の エキナセア に注意する
3種類のエキナセアが市場に出ています。エキナセア・アンガステイフォリア、ユキナセア・パープレア、エキナセア・パリダです。
サプリの原料はエキナセア・パープレアが多使われます。エキナセアの主成分は、アルキルアミド、多糖類、カフェ酸などである。これらの成分が単独で、あるいは、その組み合わせが エキナセア の有効成分と理解されています。日本やアメリカで市販されている エキナセア は、植物の地下の部分(根茎)、植物全体、地上の部分(葉、茎、花) のいずれかから採取されたもので、その形態は、粉末、植物をエタノールで抽出したチンキ剤、茶などです。
エキナセア製品に含まれる成分の構成は、3 種類のユキナセアのどれを使用するか、どの部分を用いるか、抽出のしかた、製法によって変わってきます。製品によって差が出るのは当然です。
免疫力は増強されない
風邪やインフルエンザにかかると、アメリカでもヨーロッパでも、エキナセアを飲む人が多くいます。古くから「風邪は 7 日つづくが、治療すれば 7 日以内に治る」と言われてきました。風邪をひいたときにエキナセアを飲むと、症状が軽くなり、回復も早くなります。
また、風邪のひきはじめに飲めば、風邪の症状が消えます。それなら、風邪の季節にエキナセアを毎日飲んでおけば、風邪予防になるかというと、残念ながら、「効果ナシ」という結論が出ています。
たしかに、試験管や動物レベルの研究では、エキナセア の投与によって、抗体の生産が高まり、白血球が増えます。だから 1990 年代までは、エキナセア は免疫力を高めることで効果を発揮すると信じられていました。
ところが、2000 年以降の研究で、この考えに重大な疑問が投げかけられました。ヒトが エキナセア を常用しても、風邪を予防できないからです。免疫力の増強説は否定されています。
というわけで、エキナセア が風邪に効くしくみは、まだ解明されていないのです。だから、エキナセア を摂取することで他の感染症を予防できるとか、エイズの治療だとか、アレルギーの緩和などという主張には無理があるように思います。
根より葉や茎が効く
エキナセア の風邪への効果を調べるために、これまでに多くの治験が実行されてきました。治験参加者の総数は 1000 人を優に超えます。その成績を総合的に検討したところ、3 種類の植物のいくつかの部分からつくった エキナセア が、風邪の症状をやわらげるだけでなく、回復も早めることがわかったのです。
最善の・成墳を残したのは、パーブレアの地上部分(葉、茎、花) から得られたエキナセアです。ドイツのシェルテン博士は、風邪の初期症状をしめす男女 80 人を 2 グループに分け、パープレアの地上部分、あるいは偽薬を摂取してもらい、両グループをくらべました。
エキナセア のグループは偽薬グループより早く回復しました。回復まで偽薬グループは 9 日かかったのですが、エキナセア グループは 6 日でした。
別の治験はスウェーデンのプリンケボーン博士によるもので、パープレアの地上部分を摂取すると風邪の症状が軽減しますが、根茎を摂取しても効果がないことがしめされました。まず、風邪の初期症状をしめす男女 2 4 6 人を 3 グループに分け、パーブレアの地上部分で作成したエキナセア、パープレアの根茎で作成したユキナセア、偽薬を摂取してもらい、3 グループの症状をくらべました。
結果はこうです。パープレアの地上部分で作成した エキナセア を摂ったグループは、鼻水、喉の痛み、くしゃみ、疲労感など、風邪の症状が著しく軽減されましたが、パープレアの根茎で作成したエキナセア を摂取したグループと偽薬のグループでは、症状の改善は見られませんでした。
カナダにあるアルバ一夕大学のゴエル教授は、パープレア全体を使用した エキナセア が風邪の症状を軽くすることを「臨床薬理学」誌に発表しました。まず、男女 282 人を 2 つのグループに分け、風邪の症状が最初にあらわれたときに、エキナセアか偽薬を7 日間摂取してもらいました。
次に、両グループで風邪の症状をくらべたところ、エキナセアグループは偽薬グループにくらべて、症状が軽くなっていました。ところが、アンガステイフォリアの根茎で作成したエキナセアを用いての治験では、風邪の症状を軽減する効果は認められませんでした。
風邪を「予防する効果」はない
以上の治験結果から、エキナセア の利用のしかたは、風邪の症状があらわれたらすぐに摂取をはじめて、7 〜14 日間継続するのがよいです。。エキナセアに風邪を「予防する」効果はないため、長期間にわたって摂取しても意味はないでしょう。
パープレアの地上部分で作った エキナセア は効果的ですが、地下部分の根茎には効果はありません。エキナセアの標準的な用量は、1回3 0 0 mg を1 日3 回摂取することです。一般的に エキナセア は安全で、副作用の報告はほとんどありません。しかし、大量に摂ると、まれに、吐き気や腹痛などを起こすことがある。